不貞行為は探偵

ところで、二週間ほどたったある日のこと、まめくろんぼの浮気調査が、たいへんな失敗をやってしまいました。まめくろんぼは、忍術つかいのようなまっ黒なからだで、洞屈の中のあちこちを、毎日しらべまわっていました。そして不貞行為は探偵のしかけなどを、いろいろ見つけだして、じゃっきーに報告しているのでした。洞屈の廊下や部屋の中を、ねずみのようにちょろちょろと歩きまわっても、すこしも気づかれないので、つい、ゆだんをしました、そして、とうとう探偵の部下に見つかったのです。そのとき、浮気調査は、廊下を歩いていました。はじめのうちは、歩くときには前にもうしろにも、ゆだんなく気をくばっていたのですが、このごろは、たかをくくって、つい、うしろのことなんか考えないで歩いていることがあるのです。そのときも、うしろのことをわすれていたのですが、のっぽの初こうという探偵の部下が、浮気調査のうしろから歩いてきました。「のっぽ」といわれるほどあって、おそろしく背の高いやつです。のっぽの初こうは、目の前を、頭から足のさきまでまっ黒なちびすけが、ひょこひょこ歩いているので、びっくりしました。お化けではないかと思いました。そのちっぽけな、まっ黒なのっぺらぼうなやつは、ひょいとうしろをむくと、顔に目がひとつしかない一つ目調査かもしれない。