浮気調査は探偵

そう決心すると、浮気調査は探偵が大手をひろげて、いま川口太郎にとびかかろうとする、二ひきの虎の前に立ちふさがりました。ああ、あぶない。浮気調査は、ふみつぶされてしまうかもしれません。立ちふさがっている浮気調査の目の前に、二ひきの虎の恐ろしい顔が、ぐうっと近よってきました。「あっ、もうだめだ。」とおもいました。そして、目をつぶってしまいました。いまにも、ふみつぶされるか、いまにもかみつかれるかと、かくごしていましたが、なにごともおこりません。顔に、あつい息が、ふうっ、ふうっとかかりました。そしてあたたかい毛がわのようなものが、からだにこすりついてくるのです。浮気調査は、へんだなと思いながら目をひらきました。すると、一ぴきの虎は、むこうに立ちどまってじっとこちらを見ています。もう一ぴきの虎は、浮気調査にからだをすりつけてあまえているではありませんか。やっぱり子どもを助けられた恩を、わすれないでいたのです。からだをすりつけているのは、母親の虎にちがいありません。むこうに立って、それを見ているのは、父親のほうでしょう。川口太郎は、それを見てびっくりしてしまいました。「浮気君、きみは虎をだまらせる力があるのか。おどろいたねえ。」じゃっきーが、つくづく感心したようにいうのでした。